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春をひさぐビジネス1 『東電OL禁断の25時』『グロテスク』を読んで つらつらととりとめもなく

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Kindle unlimited 月額980円読み放題などで

日頃読まなかったジャンルも読むようになった

 

無料で読んだ本のおすすめで

何故か出てきたのが『東電OL禁断の25時』

 

無料だったのか、セールで安かったのか

どうして手に入れたのか忘れたけれど

しばらく前に手に入れた

 

興味が引かれたのは

以前なんとなく書いた猟奇小説で

情報収集していたときにその事件の記録を

見た記憶があったから

 

 

当事者の女性は、東京電力に勤めつつ、

円山町で娼婦をしており、

事件に巻き込まれて殺害されてしまった

 

尊敬する父を追うように東電に勤め、

父娘ともそろって反原発だったという

 

東電に勤めつつ反原発を表明するって

ものすごい気概だと思う

 

慶応大卒業で東京電力に入社した一方で

売春をし、そのあげく殺されてしまったという

スキャンダラスな経緯、

 

さらに、当時の上司だったという勝俣恒久氏が

出世を重ね、最後は東電の会長にまで上り詰めたこと

 

絡み合った伏線のような糸、

 

障害を取り除いた功績で出世したとの

謀殺説も取りざたされ、

 

いろんな意味で

世間の注目を集めた事件だったようですね

 

そんなこんなで何が書いてあるのか

興味を引かれたというのが

買った理由

 

この本では結局、ミステリーの謎は

謎のままだったけれど、

いろいろ世間を知る勉強になった

 

『東電OL禁断の25時』著者の酒井あゆみさんは

ホテトル出身だそうで

風俗業界の中身についていろいろ書いてあった

 

「ホテトル」や「デリヘル」なるビジネスは

かつてあった「マントル」なるビジネスから派生した

兄弟ビジネスとのこと

 

ネットなどでマントル・ホテトル・デリヘルの語源とか、

いろいろ調べてみたところ、

 

「マントル」はマンション・トルコの略で

マンションで本番行為をさせるビジネスなのだとか

 

風俗産業で時々使われる「トル」ということばは

「トルコ」から来ていて今の「ソープランド」を

表すビジネス形態だけれど、

1980年代に東大に留学していたトルコ人留学生が抗議運動を起こし

それでソープランドの名称に変わったのだという

 

「トルコ」が用いられるようになった由来は

沢山の裸の女性で有名な絵画

アングルの「トルコ風呂」かららしい

 

留学先で風俗ビジネスが

自国名で呼ばれていたのだから

さぞやびっくりしたことだろう

 

私もイギリスでもし風俗産業が 

ジャパン や ニッポンと

呼ばれていたら きっとびっくりする

 

たとえその言葉の語源とか

由来が国名自体とは無関係だったとしても、、

 

ちなみに、

この「トルコ」から「ソープランド」への改名運動に、

現東京都知事の小池百合子氏が

アナウンサー時代に深く関わっていたとのこと

 

派生した「ホテトル」と「デリヘル」、

 

「ホテトル」はホテル+トルコの造語で

電話などで女性を呼び出して

風俗サービスを行うらしい

 

「デリヘル」は、デリバリーヘルスの略で

こちらも電話で呼び出して風俗サービスをするらしい

 

ホテトルとデリヘルの違いは

本番行為がサービスに含まれるか否か

 

トルコ派生の言葉のつくサービスは

ソープランド系統だから本番が含まれる

 

「ヘルス」はもともと

性感マッサージが婉曲的に

ヘルスマッサージと称されており、

そこからマッサージが抜けてヘルスになったらしい

 

ヘルスだけが残って

さらにおしゃれ感を出すために

ファッションヘルスと呼ばれるようになったとのこと

 

つまり、ヘルス系統は

マッサージからの派生だから

本番行為がない

 

 

なるほど、名称は

語源や由来からみると

いろいろ意味が

あるのですね

 

********************

 

ところで、

ホテトルは通常コースなるものが

90分2万5千円くらいが相場で

お客が取れればお菓子代として1000円

あとは女性と店がわけるとのことだけれど

ネット情報によると店と女性の取り分は

3:7~7:3で幅があるのだそうな

 

Wさんは19時に事務所入りして24時過ぎに帰り

実働5時間、それを街娼になるまで

約8年間つづけたのだという

 

一回の取り分が1万円として

時間的に考えて、一日2回がフルだろうから

マックス一日2万円

 

そんな大入りが毎日だとして

30日で60万円、、

 

でも実際には出動のない日もそれなりにあったり

出かけてもチェンジで門前払いをくったりとのこと

 

ホテトルは20代がメインとのことで

30代になると厳しくなるそうな、、

 

一日一回転が通常で

フル出勤の半分、実働できるとして

月15万円、、

 

東電の年収1千万円だとすると

ボーナス含め18で割ると

月収額面およそ56万円

もろもろ引くと手取りおよそ

40万円+αほど?

 

まあ確かに経済合理性から考えても

割に合うとは言いがたく行動はミステリアス

 

だからいろんな解釈が出てくるのですね

 

*********************

 

このあとついつい

桐野夏生さんの『グロテスク』も買ってしまいました

 

この事件を題材として書かれた小説で

第31回泉鏡花文学賞を受賞しています

 

こちらは慶応女子高モチーフ校内でのいじめ、不適合、

そして狡く描かれた父の強い影響

それらを背景に、

上手くなじめない会社勤めの中、

他への優越性を夜の世界に求めたという解釈と

感じました

 

ん~ 

 

たしかにいじめはとても大きな問題で

人の人生を理不尽にねじまげる

それは否定しなし、

 

女性同士の間で

深刻で陰湿ないじめがあることも事実で

それはそれで大きな問題であるとは思うのだけれど、、

 

この事件で不気味な存在感を放つ、

会社での反原発などのくだりは、、

 

綺麗さっぱりそぎ落とされていました、、

 

この本だと主人公の適応障害ばかりが

印象に残り、、、

 

なんだか事件が、、

薄く、矮小になってしまってる感じが、、

 

慶応女子高モチーフ校でいじめを乗り越え

上手く立ち回った女性が現れるけれど、

彼女のその成功体験が東大でうまくいかず

やがてオーム真理教事件ライクのものに関わるという

サイドストーリーが追加されているけれど、、

 

ムダに話を大きくしてる印象を受けるというか、、

慶応でのいじめの影響をそこまで際立たせたいのかというか、、

 

個人の家庭環境・生い立ち、いじめ、

挫折などに事件の原因を負わせてる印象で

 

事件の被害者にこの扱いは、

あまりに酷

 

そんな感じがしたなぁ、、

 

もっと社会的闇、陰謀を背景としたところにも

深くぐいぐいつっこんでいくような

そんな展開を読みたかったなぁ

 

そちらに手を出すと

作家生命どころか命に関わるからとの

回避だったりして、、

 

 

 

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